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【妊婦さん必読】赤ちゃんの吐き戻しに注意!腸回転異常症(腸捻転) 恐怖の経験談②

妊娠出産

こんにちは。ママ美です。
腸回転異常症だったおてつのはなし、パート②です。
(パート①が未読の方はこちらから)

救急搬送の夜

ゲボッという音と共にまた黄色い液体を吐いたおてつ。

いつもなら吐いてしまえばぐっすりのおてつがもがいて苦しんでる。
息ができてない。

すぐに救急車を呼んだ。

まだ3歳にならないシータも、大人たちの尋常じゃない慌て具合に起きて来た。

「ママ!どうしたの!なにがあったの!」
「シータ、今からママは病院へ行ってくるからじいじと待っててね。必ず戻ってくるから、心配せずに寝てていいからね。」
「いやだ!ママ!いかないで!」
「お願いシータ!もう騒がないで!」

この時のことはいつも思い出す。
本当にシータに悪いことしたな。

この時私はおてつのことで頭がいっぱいで。

無理矢理シータを説得して、出て行った。

たぶん抱きしめもせずに。

シータは弟が生まれてただでさえも気持ちの整理がつかない時期に、
大人たちがどんどんパニックになる毎日、しんどかっただろうな。

救急車が到着してすぐ乗り込んだ。運ばれる先はここ数日かかっていた総合病院の救急。

私は気が動転していて救急隊の方からの質問に何も答えられなかったらしい。

情けない。

母鈴子居てくれて本当によかった。

始めこそ酸素マスクのようなものを付けていたけど、病院へ着く頃にはもうケロッとしていたおてつ。

ここ数日のことを救急の担当医に聞かれ、血液検査やレントゲンなどの検査がされた。
結果が出るまで授乳もあるだろうから個室で待っててくださいとベッドのある部屋に入れてもらいました。

母鈴子「私はまだ吐いたとこを見てないけど、さっきは本当に命の危険を感じた。
ただ事ではないなって思ったよ。あなたはもっと近くで毎日怖かったね。」
ママ美「やっぱりそうだよね。おかしいよね。
もしここで分からなかったらもうどうしたらいいかわからない。」

そんな話をしてると担当の先生が入ってきました。

先生「血液検査もレントゲンも問題あるところは見られないね。様子見ということで。お帰りになって大丈夫ですよ」
ママ美「(…大丈夫なわけねえだろ。)ここ数日自分でも色々と調べてみたんですが、よく吐くこの黄色い液体、胆汁ではないでしょうか。うんちもかすみたいなものしか出なくて。お腹に問題あるんじゃないかって、すごく考えてしまって。」
先生「まあ今できる検査は全てしましたので。その上で問題なかったからね。お母さん少し気を楽にして、明日また小児科を受診するなりしてみてください。」

やり取りを黙って聞いていた母鈴子が初めて発言。

母鈴子「明日来て何が分かるんですか?ここ数日救急まで来て何も問題ないと言われて。でも症状は続いていて。これ以上何を診て下さるんですか?」

うちの母鈴子、家の中での気の強さは世界一ですが、外の人にはめちゃくちゃ丁寧。だからこんな噛みつくような発言をしたの初めて聞いた。それぐらい母鈴子も切羽詰まってたんだと思う。

先生「何がわかるというよりは、救急で今日来たんだから明日みせに来るでしょう(普通は)」

みたいな言い方。カッチーン。

たぶんね、追い込まれてたからこんな感じで聞こえただけで、本当はもっと丁寧な言い方だったかもしれない。先生ごめんなさい。でももうこの発言に母鈴子が燃え上がる。

診察が終わって帰りのタクシー乗り場でパパ介にLINE

ママ美「検査したけど問題ないって。今晩様子見て、また明日受診してくださいって。」
パパ介「また様子見か」

里帰り出産だからパパ介はひとり遠い地にいて、状況がわからない。
だからここ数日の連絡でこの言葉が出てくるのもわかる。
だけどどうしてもこの言葉は私が責められてるような、そんな気持ちになりました。

それは私自身が一番この状況をもどかしく感じていたからだと思う。
何もしてやれない自分の不甲斐なさ情けなさ、2人目なのにもっとドンと構えられない自分の弱さ。

私これまで生きてきて、自分に失望したことってなかった。
いつも楽しかったし、いつも自分に謎の自信があった。
幸せな奴でしょ。やばい奴でしょう。よく言われます。

でも、この時初めて、自分に失望しました。
ほんと、なーーーーんにも考えずに生きてきたな。甘いな私、弱すぎ、と。

そんな感じでママ美結構メンタルぼろぼろ、そして持ち前のマイナス思考も加わって病院から家に帰る頃にはもう、意気消沈。

明日診察行かなきゃダメかな。ダメだよな。
でもまた問題ないって言われて帰されたら?そんなことばっかり考えてた。

でも母鈴子は違った。

さっき救急の担当医に言われた言葉に腹立ちすぎたらしく、帰宅したのはもう2時ぐらいだったのに、色々と調べてくれてて。

母鈴子「うちから少し離れるけど、小児外科に行ってみない?」

私ももちろん小児外科のことは調べていたし、考えてた。
でもそこの小児外科は紹介状がなきゃ診てもらえない。
こんなに毎日問題ないと言われてるおてつが、紹介状を書いてもらえるのか?

ママ美「うん。でもこれだけ問題ないと言われてるのに?」
母鈴子「明日先生に言うだけ言ってみたら?」
ママ美「うーん。そうだね。考えてみる。」

いかんせんここ数日、というか産後のボロボロの体に寝不足もあり、ママ美思考停止。
もうすーっと眠ってしまったと思う。

やっと手に入れた一筋の希望

翌朝。部屋のドアが凄い勢いであく。

母鈴子「病院行こう」

私は、迷ってた。
また行って問題ないと言われて帰宅するなら、行く体力も気力も無駄になると。

ママ美「行かなきゃだめかな。」
母鈴子「もう仕事休み取ったから、行くしかないよ。」

母鈴子は60過ぎなんだけど、まだバリバリ働いてる。仕事命の人。
そんな人が仕事キャンセルしてもう病院行く準備してる。
これは行かない選択肢は無いよな…

私もシータとおてつの準備をして、母鈴子の運転する車で連日通っている病院へ。
私たぶん非常勤の先生より最近この病院おるんちゃうかな。

行くからには無駄足にしたく無い、そして正直もう、この病院に来たく無い。
それならできることはひとつだけ。

何がなんでも紹介状を書いてもらう。

それしかない。
待ち時間の間にそんなことを考える。

ついに呼ばれた。
今日は連日の若い先生ではなく、ベテランっぽいおばあちゃん先生。

たぶんブラックリストに分類されて、ベテランにまわったんやと思う。笑
でももう今日は先生が誰だろうと関係ない。ここで調べてもらうつもりもない。
とにかく紹介状を書いてもらうだけ。

聴診器ぽちぽち

👵「お母さん、大丈夫?だいぶ疲れてるように見えるけど。一連の流れは聞いています。
今見た感じお腹の音も悪すぎると言うことはないし、黄疸はあるけれども顔色も悪い方ではないよ。
でも私たちも吐いているところを実際見てないから。お母さんが良ければ、おてつくん入院してみて、経過を見てみようと話していました。」
ママ美「毎日お騒がせして、すみません。ただ私も、今回はよくある新生児の吐き戻しとはどうしても思えません。私の行き過ぎた心配性のせいかもしれませんが、入院してみて考えましょうというような、そんな呑気なことをしていて手遅れになったら後悔しきれません。無理を承知の上でのお願いなのですが、C病院に紹介状を書いていただけないでしょうか。」

ママ美、泣きながら懇願。他人の前で泣いたのなんて何年ぶりやろ。

👵「C病院?そこはもう手術が決まっているような子しか基本的に受け付けませんよ。おてつくんは今のところ緊急性のある症状は出ていませんし、難しいと思うの。」
ママ美「難しくてもお願いします。向こうの病院に聞いていただくだけでも構いません。もし無理でしたら他の方法を考えます。」

めちゃくちゃなモンスターペアレントやん。でもええねんもう二度と来ることない病院やから。

👵「では確認だけしてみます。でも難しいと思っていてください。またお呼びしますのでお掛けになって待っていてね。」

30分ぐらい待ったかな。今度はなんと小児科の部長だという先生登場。
今から心臓の検査をしますと。なんで心臓やねん。と思い言われるがままついていくと

部長「C病院が受け入れてくれます。ただ重大な心臓病があると診られないとのことなので、私が心臓のエコーをしてみてからの判断になります。」

もうママ美ほっとしてエコー室行くまでずっと泣いてたと思う。
やっとおてつが苦しんでる原因が分かるかもしれない。お願いだから心臓に何もありませんように。

エコー室で部長が入念に心臓のチェック。こっちは何のことやら分からんけど色々説明してくれてる。

部長「心臓は問題ないね。念のためお腹の方も診ておこうね。」

それを聞いてもう安心。C病院へ行ける!!!

お腹の方もかなり入念に診てくれたけど、結局悪いとこは見つからなかった。

部長「おそらく心配ないと思うけど、しっかり調べてもらえるといいね。お母さんの安心のためにも。」

部長、ありがとうな。なんか色々騒いですまんかったな。

また小児科の方へ戻って、紹介状を受け取ってから会計。

のはずが、紹介状待てど暮らせど出来上がらん。

結局1時間ぐらい待って、会計へ。(異常無いんやから書くこと無くて悩ませたやろな)

そこでキッズスペースでずっとずっと待ってくれてた母鈴子とシータに報告に。
母鈴子も良かったって泣いてた。
まだ何も解決してないけど、私たちにとってC病院で診てもらえることは本当に本当に大きな第一歩だった。

結構端折って書いてるから、すんなりと思われるかもしれませんが。
病院滞在時間で考えるとね、平均4〜5時間ぐらいです。
連日。
ほんと病院て時間かかるよね。どうにかならんのかな。

会計済んだら速攻C病院へ。

こんなモンペ、きっと邪険に扱われるだろうな。
でも何か分かるなら何でもいいや!
そんなこと考えてる車中で、また何度かおてつが真っ黄色の液体を吐いた。

もう着くからね、おてつ。頑張ろうね。

腸回転異常症の判明

C病院到着。

率直な感想は、、、

オンボロ。廃墟?(失礼)

ほんとにこんなところで整った医療を提供しているのだろうか…
呆気に取られたまま受付へ。

ママ美「先程お電話しましたママ美と申します。」
受付「お待ちしておりました。すぐに看護師がお話聞きに参りますので、お掛けになってお待ちください。」

めっちゃ丁寧。邪険に扱われるのはこれからか。(どんだけ気にしとんねん)

椅子にかける間もなく看護師さん登場。
初対面にも関わらず、抱きしめられた。

看「プロに物申すのは勇気がいったでしょ。ほんとにお母さん偉いよ。しっかり先生調べてくれるから、心配しないでね。」

ママ美泣きじゃくる。何この包容力。ここは怖いところちゃうかったんか。(しつこい)

看「落ち着いたらおてつくんの様子聞かせてくれるかな。前の病院で散々説明してきたと思うから悪いんだけど、直接私たちにも聞かせてね。」

ママ美我に帰る。
そして一連のおてつの症状を伝え、いよいよ診察室へ。

診てくれるのは私たちより少し上ぐらいかな?って感じの女のM先生。

M先生「お母さん!おつかれさま!疲れた顔してるねー!今からおてつくん診てみるからね。」

お腹の音を聞いたり、エコーをしたり、前の病院では1つ1つ部屋を移動して時間がかかっていたことが、目の前でテキパキとこなされていく。

診察してる間は看護師さんがさっきママ美が伝えたおてつの一連の症状を伝えてる。

M先生「今からおてつくんの胃の内容物みるよ」

鼻に管通す
あっという間のことでママ美言葉出ず

M先生「おてつくん、最後の授乳いつぐらい?」
ママ美「3時間ぐらい前だと思います。」
M先生「3時間かーそれにしては残ってるね。」

鼻に通した管からはおっぱいなのか胆汁なのか、黄色っぽい液体が沢山出てきた。

M先生「3時間ぐらい経ってると、たいてい消化されてるはずなんだけどね。おてつくん、しっかり残ってます。お腹の音やエコーみた感じ、もしかすると腸がねじれてるかもしれません。時間ないから、すぐレントゲンいこか。」

腸がねじれてる?!

どういうこと?!

そんな言葉を発する暇もなく、あれよあれよと言う間に先生たちが動き回る。

M先生「普通のレントゲンでは分からないから、造影剤をお尻から入れます。2階にレントゲン室があるから、お母さんはその前の椅子にかけて待っててね。」

言われるがまま2階へ移動するママ美。

そのすぐ後におてつを移動式のベッドに乗せて現れた先生、看護師さん。

M先生が技師さんに何か言ってる。
たぶん、緊急で撮影するから対応してください的な感じだったと思う。
その時のやりとりが、もうなんか連携が取れ過ぎていて。
これぞ病院なんだって。かっこよすぎて。

ほんとにここに連れて来れて良かったと思った。

後々知るんだけど、ここは脳性麻痺とか重度の障害を持っている子が沢山通院、入院している病院。
一刻を争うような状態の子と毎日向き合ってる先生たち、看護師さん、技師さん。
そりゃしっかり連携してないとやっていけないんだよね。

本当に本当に素晴らしい病院だ。

この病院に到着してからたぶん、まだ30分も経ってない。

3日通っても分からなかったことが、もう分かるかもしれない。
レントゲン室におてつがいる間、そんなことを考えてたかな。

しばらくして出てきたM先生。

M先生「おそらく腸捻転です。でもこれは、開けてみないと確実なことが分からないの。
旦那さんに連絡取れる?緊急手術します。
旦那さんの到着は待てないから、お母さんに同意書にサインしてもらわなくちゃいけない。
お母さん、大丈夫?手術の内容や詳しいことは4階の入院病棟でお話しさせてもらうので、気持ち落ち着いたら4階へ行ってくれるかな。」
ママ美「大丈夫です。お願いします。」

もうここまできて迷うことなんてないよね。

やっとおてつの苦しんでる理由がわかった。
そして手術してもらえる。
私の気持ちが落ち着くの待ってたら5日ぐらいかかってまう。
すぐに4階へ行きました。

入院病棟へ1歩入って、私は息を呑んだ。

息を呑むとか、小説ぐらいでしかみない表現。
でも本当にこの言葉がピッタリ。

目の前にはベッドの上で沢山の管を通して横になっている子どもたち。
その横には付き添いの親御さん。みんな脳性麻痺や重度の障害で寝たきり。
こんな不平等な現実を目の当たりにしたのは、人生で初めてだった。
あまりにも衝撃的な光景で、すごくショックだったのを覚えています。

入院病棟担当の看護師さんが声をかけてくれる。
看「ママ美さんだね。今からおてつくんが疑われる病気のこと、手術のことや麻酔のことを先生がお話しますので、そこで掛けていてね。お母さん疲れてると思うけど、もう一踏ん張りだよ!」

こんな短時間で看護師さんにも全て伝わっていて、今までの流れをいちいち説明しなくて良かったのがすごく有り難かった。
椅子にかけて間もなく、さっき対応してくれたM先生とは別の女の先生登場。

B先生「ママ美さんね。よくここまでおてつくん連れてきてくれたね。ありがとう。だいたいのことは聞いたけど、お母さんよく頑張ったね。毎日不安だったと思うわ。私は麻酔を担当してますBです。会ったばかりで不安だと思うけど、おてつくんを任せてね。みんな一生懸命サポートするから、あと少し頑張ろうね。」

この病院の人たちってみんな女神様なん?

優しい人で溢れていて涙止まらない。
私こんなに他人の前で泣けるタイプやったんか?ってぐらいもう泣きまくり。
情けない。

《つづく》

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